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戻る本学学生と教員の共著論文が国際科学雑誌に掲載されました
戻るヘルスイノベーション研究科(SHI)博士課程3年の江頭勇紀さんと渡邊亮教授の共著「The Association Between Patient Upsurge and Telemedicine Utilization During the COVID-19 Period in Japan: A Seasonal Autoregressive Integrated Moving Average Analysis with 9 Years Claims Data」が、遠隔医療を専門とする国際誌「Telemedicine and e-Health」に公開されました。
(公開された論文)
https://doi.org/10.1089/tmj.2024.0561
研究の概要
本研究では、神奈川県の国民健康保険の9年分のレセプトデータを用いて、COVID-19パンデミック期間中の遠隔医療*1の利用動向とその特徴を時系列分析により明らかにしました。
結果として、遠隔医療の利用は、過去の実績から予測される値と比較して、2020年4月の緊急事態宣言以降も、感染拡大の波に応じて利用実績は増加し、特に第7波(2022年8月)で最も高い利用実績であったことが明らかになりました。また、第6波以降(2022年1月~)は、遠隔医療の50%以上がCOVID-19の患者*2となっていました。さらに、疾患別の分析では、多くの疾患でCOVID-19の併存症を持つ患者の割合が高かった一方で、精神疾患ではその割合が低かったことがわかりました。
本結果は、将来の新興感染症の流行においても遠隔医療が活用される可能性を踏まえ、平時から遠隔医療のサービス品質とアクセシビリティを向上させる必要性を示唆しています。
*1 電話等再診料等を含む
*2 確定診断だけでなくCOVID-19の疑いも含む
指導教員である渡邊教授から論文公開にあたってのコメント
本邦では、2018年に国が「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を発出し、同年4月の診療報酬改定では「オンライン診療料」が新たに設定されたものの、診療報酬算定上の条件を満たすことが困難なことなどが影響し、遠隔医療の導入は一部に留まっていました。その後、COVID-19の感染拡大を踏まえ、国は臨時的措置としてオンライン診療の大幅な条件緩和を行ったことで、オンライン診療の導入は急速に進みました。しかし、COVID-19拡大当初は、オンライン診療を含む遠隔医療の利用が引き続き限定的であったことが報告されています。
本研究では、その後の推移及び利用動向と特徴について、時系列分析によって解析し明らかにしたものであり、遠隔医療のさらなる活用可能性を検討する上で貴重な研究であると考えます。